2022/10/01 10:58



どんなにたくさんの技がある柔術教則を見ても、ただ手順をまる覚えしても実際には使えないことが多いという経験をしたことはありませんか?その理由はいくつかありますが、シンプルに説明すると、技を手順通りにやっていても、力をかける方向を間違っていたり、タイミングが間違っていたり、その手順をやる意味を知らないので、それらが微妙にずれていて技が作用しないのです。

これらを解消するには、なぜその手順なのか、なぜその方向に力をかけるのか、なぜそのタイミングなのか、が技を教える段階で明かされてなければいけません。この部分がわからないと、その技を効率的にマスターできません。昔の教則動画はそういったものが多く、足りない部分は自分で考えなければいけませんでした。今の教則はそこまで説明しているものが増えてきています。(仮にこれをテクニック動画ver.1.5としましょう。)

ですが、実はそれだけでもまだ足りません。もっと効率的に学べるインストラクションは自分用に技のカスタマイズの方法も教えてくれます。柔術の黒帯に近づいていく。ということは、結果、自分で使いやすいように技をカスタマイズできるということです。別の言い方をしたら、自分で技を編み出せるようになることです。

技をカスタマイズするということがピンと来ない人もいると思います。実は技は習ってもそのままでは使えないことが多く、その人の体型やその人のファイトスタイルに応じて加工してはじめて使えるのです。

食パンをそのまま食べないのと同じで、焼いたり、バターやジャムを塗ったり、レタスやハムを挟んで自分が食べやすいようにカスタマイズするかのように、柔術の技も自分にしっくりくるようにカスタマイズして初めて使えるものなのです。

このことがテクニック動画ver.1.5では説明されてないのです。とはいえ、カスタマイズの方法を教えるのも理解するのも非常に難しいのです。それは以下の方法で実現されます。

・技の動きの目的と方法をきちんと説明する。(こうしたいのでこうする)
・別の方法でも解決できることも説明する。(こうできればよいので、それが達成されれば、こうでもいい)

これが実装されているテクニック動画がver.2.0です。ただし、毎回それを長時間かけて説明しても聞いてる方はそもそも何をやっているのかがわからなくなるといけないので、あくまでも簡潔に説明されていなければいけません。(ここが難しい)そういったver.2.0に必要なことがさりげなく説明されたインストラクションを繰り返し受けたり、見ることによって、ユーザーは「あ、この説明は前にもあったな」という共通項を見出しやすくなります。これがカスタマイズできるようになるために必要な知識なのです。

金古はそういったインストラクション作りを心がけています。そしてそのようなインストラクションが得意です。得意な理由は過去の私が先生を持たずに黒帯になったことにあると思います。



私は29歳で柔術を始め34歳で黒帯を取得し35歳で全日本王者、41歳で年齢別の世界王者になりました。また、私は特定の先生について練習していたわけではなく、仲間と一緒に柔術の教則動画を見て技練して試合で結果を出し黒帯を取得しました。なので、実は私は動画を先生にして黒帯になったようなものなのです。

当時は先生がいたらもっと効率的に柔術を学べるのになぁと思っていました。特に動画を見て学んだ技をどのシチュエーションで使うのか、またはどういう風に連携したらいいのかが、なかなかわからず苦労しました。それらは仲間とあーでもないこーでもないと想像と実験で補ってきました。そして、そのことが功を奏したのだと今は思います。想像と実験を繰り返しているうちに得たもの。それは自分で考える力です。買ってきた教則がそのまま使えることはまずなく、自分用にカスタマイズしていく過程で技に共通する原理を発見していきました。この原理を自力で発見したことにより、後々出てくる新しい技も解析が早かったわけです。なので現役当時から私はテクニカル系の柔術家として認知されていたのだと思います。

自分で道場を持ち、指導する立場になっても、生徒に自分で考える力をつけてほしいと思っています。先生の教える技が絶対ではなく、それはあくまでも一例で、実際使えている人は自分用にカスタマイズしているんだよ。というのをもっとみんなに知って欲しいです。そしてカスタマイズする方法を知って欲しいので目的と原理と代替方法も教えています。それが徐々に理解できれば、私以外の教則を見ても、一つの技の動きにある目的、原理、代替方法が見抜けるようになります。結局のところこのフレームワークがないと、いつまでたっても上達しないのです。

あなたが、もし柔術道場に通っていて、そこで学ぶテクニックがなかなかマスターできないとしたら、自分の練習量が足りないのかもだとか、自分にセンスがないのかもと思う前に、先生の教え方があってないのかも。ということも視野に入れてみてください。丁寧な先生は目的、原理、代替方法も教えてくれますが、クラスにも時間制限があるので難しい面もあるのも重々承知です。なのでやはり動画で学ぶのがいいでしょう。


今時、柔術は動画で学ぶというのは、塾に行かずスタディサプリ(アプリの教材)だけで受験に受かるようなもので、別に珍しいことでは全くありません。トップ選手は当たり前にやっていることです。柔術がこれだけ広まったのも日々新しいコンセプトが生み出され、それでコンペティションを制する選手が現れ、それをすぐに説明する動画が販売され。流行る。という流れがあるからです。他の格闘技にはこういったことが一切ありません。柔術にだけ起きています。だからこそ今急速に世界に広まっているのです。

昔は空手を通信教育で学ぶとかいうのは、笑い話として扱われていましたが、柔術はマット(畳)と練習相手と動画教則があれば、本当に強くなれます。シュラプネルオンライン定額制ではテクニック動画ver2.0のフォーマットで作られた動画が1200以上あり、あなたの柔術のリファレンスとして使っていただければ、使えば使うだけいつの間にか、自分で技の構造が見抜けるようになります。結果自分用にカスタマイズしてオリジナルの技をクリエイトできるようになります。







以前に動画で説明しています。よかったらご視聴ください。